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お知らせ一覧はコチラ2023年04月14日
インボイス制度 適格請求書の記載事項と端数処理について
◎ インボイス制度における適格請求書とは、売り手が買い手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。具体的には、以下の事項を記載した書類やデータをいいます。
1. 適格請求書の記載事項
➀ 請求書発行者の氏名又は名称
② 取引年月日
③ 取引の内容
④ 対価の額
⑤ 請求書受領者の氏名又は名称
⑥ 軽減税率の対象品目である旨
⑦ 税率ごとに合計した対価の額
⑧ 登録番号
⑨ 税率ごとに区分した消費税額等
※1)請求書の交付義務・不正交付の罰則がある。
※2)売り手・買い手側ともに翌事業年度開始から7年間の保存義務がある。
☆ ポイント
上記の記載事項は、1つの書類に上記の事項を全て記載する必要はなく、複数の書類にまたがって記載されている場合でも、要件を満たすこととなります。
★ 口座振替や振込により決済される場合
契約書に基づき代金決済が行われ、取引の都度、請求書や領収書が交付されない取引であっても、仕入税額控除を受けるためには、適格請求書の保存が必要となります。
そのため、インボイス制度開始前から継続して口座振替や振込により決済している取引については、上記の記載事項の要件を満たしていないからといって、契約書等を新たに取り交わす必要はなく、不足している事項を確認書や合意書などを作成し、それを通知等することにより要件を満たすことで、適格請求書として取り扱われるので、どういった形で要件を満たすのかは、選択することができます。
例示)家賃の場合の適格請求書
➀ 請求書発行者の氏名又は名称 契約書
② 取引年月日 通 帳
③ 取引の内容 契約書
④ 対価の額 通 帳
⑤ 請求書受領者の氏名又は名称 契約書
⑥ 軽減税率の対象品目である旨 契約書
⑦ 税率ごとに合計した対価の額 契約書
⑧ 登録番号 確認書・合意書
⑨ 税率ごとに区分した消費税額等 確認書・合意書
◎ 上記の例示は、契約書に適格請求書として必要な記載事項の一部しか記載されていない場合、実際に取引を行った事実を客観的に示す書類として、通帳や振込金受取書などを保存しておき、それ以外の不足事項を記載・通知等した確認証・合意書をあわせて保存しておくことで、仕入税額控除要件を満たすことになります。
2.適格請求書の端数処理について
インボイス制度における適格請求書の端数処理のルールは定められています。
それは、1つの請求書等につき、税率の異なるごとに1回のみ端数処理が行えるというものです。言い換えると、請求書等の最後で1回のみ端数処理を行う。途中の計算過程では、端数処理をしてはいけない。
ただし、途中の計算過程において個々の商品ごとに参考として消費税額を記載することは、差し支えない。あくまでも参考なので、途中の計算過程の消費税額と最終金額とは、差異が生じるが、ルールに従って記載しているので問題がないのです。
★ このように端数処理について、今までは、ルールが定められていませんでしたが、このインボイス制度でルールが定められました。そのため既存の請求書等に係るシステムが対応できてない場合が多いと思われますので、改修、買替の検討は早めにしていきたいところです。
以上、適格請求書に関する記載事項と端数処理についての注意点です。
制度開始まで半年を切りました。不備の無いよう準備を進めていきましょう。