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川庄会計グループ 福岡経理代行センター

2024年07月25日

使用人に社宅を貸与した場合の給与課税について

基本的に、使用人に対して社宅や寮などを貸与する場合、賃貸料相当額が給与として課税され、源泉所得税が発生します。賃貸料相当額とは、1ヶ月当たりの一定額の家賃のことで、厳密には下記の①+②+③の合計値で表せます(所得税法基本通達36-40)。

①   その年度の物件の固定資産税の課税標準額×0.2%

②   12×物件の総床面積(㎡)/3.3(㎡)

③   その年度の敷地の固定資産税の課税標準額×0.22%

ただし、使用人自身が払っている家賃があった場合、その金額と賃貸料相当額との差額が給与として課税されます。さらに支払家賃が賃貸料相当額の50%以上であれば、支払っている家賃と賃貸料相当額との差額は給与として課税されません。

例えば、賃貸料相当額5万円の社宅に住む場合、仮に2万円を支払うのであれば差額3万円が給与の一部として加算され、源泉所得税が生じることになります。一方、仮に2万5千円を支払うのであれば、賃貸料相当額の50%以上であるため、差額の2万5千円は給与ではなく、経費とみなされるため、課税対象外となります。

ちなみに、仕事の特性上、勤務する場所から離れて住むことができない使用人が無償で社宅を貸与する場合において、賃貸料相当額が給与として課税されないケースもあります。

なお、社宅制度と似たような制度に、金額を支給する住宅手当がありますが、これは給与の一部とみなされるため、課税対象となります。そして、給与が増額すれば源泉所得税や住民税、健康保険や雇用保険などの社会保険料も増額するため、使用人にとってみれば手取りが減る可能性が出てきます。社宅制度と住宅手当は給与課税の対象の範囲において、全く異なる制度と言えると思います。

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